真の「文武両道」を体現する
國學院大學剣道部
矢部 健太郎(國學院大學 文学部 教授)

國學院大學は、慶応義塾・早稲田・明治・中央・法政・日本・同志社大学とともに、大正9年(1920)の大学令で大学に昇格した、日本最古の私立大学8校のうちの1校です。
國學院大學の前身は、明治15年(1882)に政府が設置した皇典講究所で、そこでの体育科の必修科目は「乗馬」と「撃剣」でした。そして明治25年、本学最古の体育系部会として「撃剣部」(のちの剣道部)が創設され、令和4年(2022)で創部130周年を迎えました。
また、國學院大學剣道部は全日本学生剣道連盟の昭和3年(1928)の発足時に加盟し、当時、東京帝国大学(現東京大学)・東京高等師範学校(現筑波大学)・早稲田大学・慶應義塾大学とともに、「東京五大学」といわれた幹事校の一つでもありました。
現在、全国には800近くの大学があり、その多くに剣道部は設置されていることでしょう。しかしながら、本学の剣道部は、学問・武道双方において、突出した実績を長きに渡り積み重ねてきました。その最たるものが、令和5年の全日本学生剣道優勝大会(団体戦)における第3位。これは、第1回大会以来、実に70大会ぶりの栄誉でした。すでに剣道部の現役学生は、「日本一」を明確な目標に設定し、日々の稽古に励んでいます。
加えて、130期以上に及ぶ多くの卒業生が、剣道部で培った気力・体力を武器に、教職、神職、警察、実業界などで活躍しています。先輩方は、多忙なスケジュールの合間を縫って、学生に稽古をつけに大学を訪ねてきてくれます。うわべだけではない、世代を超えた真の「文武両道」こそが、國學院大學剣道部の最大の特徴といえるでしょう。
全国から志ある剣士が集う國學院大學剣道部で、何ものにも代えがたい、貴重な修練の時間を送っていただきたいと思います。