真の文武両道を志向する剣道部として

植原吉朗(國學院大學 人間開発学部 教授)

 記録によれば、学生剣道界での國學院大學剣道部の活動は早く、全日本学生剣道連盟には昭和3年の発足とともに加盟、当時、東京帝大・東京高師・早稲田・慶應とならび、本学は東京五大学といわれた幹事校の一つに入っています。本学剣道部は、大学前身の皇典講究所創立の10年後である明治25年に創部され、令和4年で130周年を迎えました。
 学生剣道界も他の競技同様、近年はさまざまな大学が栄枯盛衰を繰り返す中で、國學院大學剣道部が浮き沈み無く連綿と現在に至り来たのは、誇るべき学生剣道界随一の歴史と伝統を有するからにほかなりません。
 加えて何より、送り出した多くの卒業生が目先の勝敗などを超越し、剣道部で培った力を携え、教職に、神職に、実業界に進み活躍する姿は枚挙にいとまなく、文武両道こそが、國學院大學剣道部の真骨頂であると自負するものです。
 剣道技倆の追究のみに留まらず、日々怠りなく稽古に励み且つ学生の本分たる学修を全うし社会で有為の人材となる、即ち敢えて文武の「二兎を追う」志ある者こそ國學院に相応しいと、自信を持って申し上げます。
 國學院大學剣道部が目指すは全日本学生大会優勝、そして将来日本を背負って立ち世界をリードする人材育成にあります。近年男女とも学生大会で上位を獲た結果を弾みとし、頂点を極めることを明確に目標とします。
 また、これまでの剣道による国際交流実績を継承し、世界での活躍を視野に見据えます。
 稽古勉学に努め世界に羽ばたく大志ある人物を、國學院大学剣道部はこれからも輩出し続けます。